新米を炊いたらぱさぱさだった!

更新日:2015年3月16日

食品

平成21年度

相談内容

購入した新米を炊いたら、ぱさぱさで新米とは思えない。検査して欲しい。

米は、収穫された後しだいに品質が低下しますが、保存状態によりその程度は異なります。そこで
①相談をうけた米(21年産)
②12℃で保存されていた米(21年産)
③12℃で保存されていた米(20年産)
の酸化度を、(1)~(3)の3種類の鮮度簡易検査法で調べてみました(検査は平成21年に実施)

テスト結果

検査1

(1)pH法(染色液)による酸化度検査
(2)pH法(粒染色)による酸化度検査


(1)(2)とも、一般的に古い米ほど脂質の酸化が進み、酸化が進んだものほど黄色やオレンジ色を示します。
  • (1)の検査については(写真1)のとおり、①②③はいずれも緑色を示しました。
  • (2)の検査についても同様に、①②③はいずれも緑色を示しました。
写真1
(写真1)
(1)pH法(染色液)による酸化度検査

検査2

(3)グアヤコール法による酵素「パーオキシダーゼ」の活性検査
酵素は時間経過により活性を失うため、鮮度が落ちた米は試薬に反応しません。
(写真2)のとおり、相談品がいちばん反応して、赤褐色になりました。
写真2
(写真2)
グアヤコール法による活性検査

検査結果

以上から、相談を受けた米は酸化が進んでおらず、酵素の活性が認められるため新米と推定できました。

ハッピーからのアドバイス

食味や食感は鮮度のほか、気候、肥料のやり方、保存の仕方、炊飯方法によっても異なり、新鮮の度合いだけでは決められません。
注)グアヤコール法は、ぬかや胚芽に含まれる酵素の活性を検査します。精米の場合、精米歩合が高いと正しい判断ができません。

ページの上部へページの上部へ