製品に関する苦情・相談事例

婦人用カーディガンのスパンコールがクリーニングで色落ちした

クリーニング平成19年度

1年前に海外旅行の際に現地で購入したブランドカーディガンをクリーニングに出したら、下地と同系色のスパンコールの表面の塗装が色落ちし、地が出たため光り出してしまった。

相談品は、フード付きの青緑色のニットのカーディガンで、前身ごろの中央部、左右のポケットの入り口、フードの縁、前面と背面の裾、袖口にスパンコールが装飾され、ポリエステル糸で縫いつけられていました(写真1)。
(写真1)相談品
(写真1)

●材質
  外国語の表記がありました(写真2)

(写真2)材質の外国語表記
(写真2) (写真2)


●取扱絵表示
  日本のJIS表示と国際標準化機構(ISO)表示の両方で表示されていました(写真3)。

(写真3)取扱絵表示
(写真3)
(写真3)


●相談品の状態

(写真4)変色したスパンコールと新品
(写真4)

【テスト1】

相談品に使用してあるスパンコールの新品(★)と、相談品のスパンコールの表面及び断面を双眼実体顕微鏡で検鏡しました。新品のスパンコールは、銀色の本体に青緑色の塗装が施されていますが、問題の相談品は、この最外層が剥離していました

【テスト2】

取扱表示に「中性洗剤使用で手洗い」とされているので、「中性洗剤」や「酸素系漂白剤」のスパンコールに対する影響を調べてみました。

テスト方法
スパンコールの新品を1個入れて、テフロン製の攪拌子を入れてマグネティックスターラーで523~575r.p.m.の条件下で攪拌しました。攪拌後のスパンコールを双眼実体顕微鏡で検鏡しました。

テスト結果
試験区 スパンコールの状態
中性洗剤 青緑色から青色に変色。一部に最上層の塗装が剥離したものがあり。
酸素系漂白剤 青緑色から青色に変色。一部に最上層の塗装が剥離したものがあり。
中性洗剤+酸素系漂白剤 青緑色から青色に変色。
蒸留水のみ 変色せず。

【テスト2結果より】

テストから、中性洗剤や酸素系漂白剤がスパンコールの最上層の塗装に影響を与えていることが分かりました。

【テスト3】

次に、スパンコールを(1)中性洗剤を入れた水(2)中性洗剤と酸素系漂白剤を入れた水(3)石油系ドライ溶剤(4)テトラクロロエチレンで、テスト2同様に撹拌試験しました。
試験区 スパンコールの状態
(1)中性洗剤 青緑色から青色に変色。一部に最上層の塗装が剥離したものがあり。
(2)中性洗剤+酸素系漂白剤 青緑色から青色に変色。一部に最上層の塗装が剥離したものがあり。
(3)石油系ドライ溶剤 変色せず。
(4)テトラクロロエチレン 青緑色から青色に変色。一部に最上層の塗装が剥離したものがあり。

【テスト3結果より】

中性洗剤や酸素系漂白剤がスパンコールの最上層の塗装に影響を与えていることが分かりました(写真5)。
  • ・組成表示は、スパンコールはポリ塩化ビニル
  • ・洗濯表示では「手洗い」水温30度中性洗剤
と記載されており、スパンコールの変色は製造者の表示上の手落ちだと考えられます。
(写真5)


●クリーニング店の処置
クリーニング店によると、「ウールで水洗いはおかしいが、スパンコールはドライ溶剤に反応しやすいせいだと考え、ネット状のものでていねいにくるみ、表示どおりにソフト洗い、全工程で15分弱の水洗いを行った。水洗いでスパンコールが色落ちしたのであれば、製品に問題があると考え、相談品をメーカーの日本法人へ送ったが、話がまとまらなかった。」とのことでした。

●メーカーの対応
当初、「日本で販売した商品ではないので対応できない。購入店に申し出てほしい」との回答でした。しかし海外本社と交渉するのは困難なため、日本法人に再度対応を求めました。メーカーで再検討したところ、ブランドとして対応することになり、相談者には相談品と同型の代替品が渡されました。
ご注意を!
海外で購入した商品を、国内の代理店等がした今回の対応は、極々稀な事例です。海外での購入、海外土産、個人輸入等では、トラブルが発生した場合多くは自己責任となります。購入後のメンテナンスも考えて購入する必要があります。
(苦情例)
バッグの色落ち、クリーニングトラブル、健康食品(お茶やカプセル剤など)による健康被害等