クリーニングに出した女性用スーツにシミができた。

更新日:2015年3月16日

クリーニング

平成18年度

相談内容

灰色の女性用スーツ(表地組成:綿56%、ポリエステル41%、ポリウレタン3%)をクリーニングで出したら全体に茶色のシミができ、洗い直してもらったが、まだシミがところどころに残り着用できない。

テスト結果

テストの結果

上着の背面や左ポケット、スカートにシミが残っていました(写真1)。赤褐色のシミの部分を顕微鏡で観察した結果、白色のたて糸に、黒色のよこ糸から出た茶色が移っていることが確認できました(写真2)。
(写真1)
ポケット部分のシミ
( 写真2)
上着背面内側の茶色のシミ(顕微鏡写真7.5倍)


この服に付いている取扱い絵表示は『手洗い可能』『ドライクリーニング禁止』になっていました。しかし、この取扱い絵表示は、上に新たな表示を貼り付けて修正してあり、下地に記載されている修正前の表示では『ドライクリーニング可能』になっていました。この修正についてメーカーに問い合わせたところ、「ドライクリーニングをするとポリエステル糸から色が出てくる場合があることが判明したため、『手洗い可能』のマークに変更した」との回答がありました。

クリーニング業者は取扱い絵表示に従いウェットクリーニングをしたようですが、顕微鏡による観察の結果、水洗いでも色落ちしやすい製品であると推測されました。
今回は原因が明確だったため、メーカーが製品に問題があることを認め、商品代を返金しました。

繊維は種類により性質が異なるため、多くの種類の繊維を用いた組成が複雑な服ほど、様々な事故が起きやすい傾向があります。服を選ぶ時には組成表示や取扱い絵表示を見て、繊維の種類や取り扱い方法をしっかり確認しましょう。ストレッチ素材としてよく使われているポリウレタンは、劣化しやすく、質が悪い製品の場合は1~2年で形状変化等が起きる場合があります。長く使いたい定番品は、ポリウレタンを含むものは避けた方が無難でしょう。

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