ワンクリック請求

パソコンやスマートフォン、タブレットで無料動画を見ようとしたら、いきなり「登録完了」という画面が出て料金を請求される手口を、「ワンクリック請求」と呼んでいます。
契約の意思がなく、単にURLや画像、無料再生ボタン、年齢確認部分をクリックしただけで契約は成立しませんので、支払う必要はありません。
相手に問い合わせると、「確認のために」などと言ってあなたの住所や名前を聞かれ、個人情報を伝えることになります。IPアドレス(インターネットに接続する度に割り当てられる識別番号)や端末識別番号(個々のデータ端末に割り当てられた番号)から、あなたの氏名や住所がわかることはありません。相手に連絡せず無視しましょう。
「登録完了」の画面が消えない場合は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のウェブサイトで対処法が情報提供されています。

契約成立と電子消費者契約法

契約は売り手と買い手の意思表示の合致で成立します。従って、あなたが契約の申込みをしておらず、単にURLや画像部分をクリックしただけであれば、契約は成立していません。
契約の意思表示をしたとしても、重要部分に思い違い(錯誤)があり、真意と異なる意思表示をしてしまった場合は、その意思表示は錯誤により取消しとなります(民法95条)。ただし、意思表示した人に重大な過失(落ち度)がある場合は取消しを主張できない(民法95条3項)とされています。パソコン操作のミスや表示の見落とし等については、利用者に重大なミスがあったと事業者から反論され、民法では取消しにならない場合が多いと考えられます。そこで、パソコンや携帯電話によるインターネット上の取引で起きやすい、操作ミス等によるトラブルを救済するために、平成13年に電子消費者契約法が施行されました。

電子消費者契約法では、インターネット等、パソコンや携帯電話の画面を介して行われる契約(電子消費者契約)に関しては、事業者が操作ミスを防止するための措置を講じていない場合は、たとえ消費者に重過失があったとしても、錯誤による取消しを主張できるとされています(民法95条の特例措置)。

「操作ミス防止の措置を講じている場合」とは、まず、申込み画面(送信ボタンと同じ画面上に意思表示の内容を明示し、そのボタンをクリックすることで契約することになると消費者が明らかに分かるような画面)があり、その次に、確認画面(最終的な意思表示となる送信ボタンを押す前に、申込の内容を表示して、そこで訂正をする機会を与える画面)が設けられていることです。

画面表示の例(「申込み画面」で商品Aの説明を読み購入ボタンを押したあとに、「確認画面」として契約内容を確認し訂正できる画面が表示される様子)

申込み画面で購入の意思を伝えても、確認画面がなかったり、あっても購入の意思を伝えることができるボタンをクリックしていなければ、契約の取消しを主張できます。

関係法令や参考サイト

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ワンクリック請求被害への対策」
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/1click.html
経済産業省「『電子商取引及び情報材取引等に関する準則』を改訂しました」
https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191219003/20191219003.html